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​澱と葉  料理席  1日1組1卓の小さな仮レストラン

OUR STORY

澱が語り、葉が紡ぐ。

澱とは、ここまでの私たち。
 

生命は、絶え間なく自らを壊しながら作り直すことで、均衡を保っています。
その循環が「澱」であるならば、今この時も、過ぎた時間や積み重なる記憶は、やがて澱となり、静かに深く満ちていく。

人は、沈むものを見落としがちです。
けれど、見えないものが、存在しないわけではありません。
そこには確かに在り、ただ気づかれるのを待っています。

葉とは、これからの未来。


風に揺れ、光を受け、呼吸する瞬間。
それは葉となり、静かに新しく広がっていきます。
どのように、どこへ広がるかは、受け取った人の心次第です。

 

つくるという行為は、言葉のように伝える手段。
食べるという行為は、読書のように受け取る手段。

 

けれど、料理には常に“命をいただく”という暴力性が伴います。
 

人が生きるということは、何かの命を奪いながら続いていくということ。
だからこそ、そこからきちんと受け取り、次へとつなげていく。

 

その循環こそが、世界のかたちであり、私たちの営みです。

 

「澱と葉」は、そんな時間の流れの中にあります。

 

この土地の風、季節の気配、手を動かすことで生まれる静かな営み。
暮らしの中にある温度、ふと胸に浮かぶ情景。
それらがこの場を形づくり、あなたとともにまた、新しい流れを生み出していきます。

鶴田という場所

地方に生きる。

鶴田町という、どこにでもある小さな町。
特別な観光地ではなく、誰もが見過ごしてしまうような場所です。

けれど、私たちはここで、できることをしながら暮らしを続けています。
山野草や茸を摘み、知り合いから野菜を分けてもらい、採れすぎたものは冬のために漬けたり乾かしたりして保存する。
この町の人々にとって、それは日々の自然な営みであり、特別なことではありません。

だからこそ、私たちはこの“あたりまえ”を特別だと感じます。
ここに流れる時間のなかに、確かな美しさと意味があるのです。

From here to you.

「ここからあなたへ」とは、
時間や場所、思想にとらわれず、いまこの瞬間――“here”――から、
ここに来てくださった、これを見てくださったすべてのあなたへ、
想いを手渡すということ。

私たちはそのために、同じ時間を過ごしたいと願っています。

一日一組の理由

食べるという行為は一瞬。
けれど、その余韻は、ゆっくりと心の中で広がっていきます。

私たちは、ただ料理を提供するのではなく、
その「時間」そのものを大切にお届けしたいと考えています。

だから、「澱と葉」は一日一組だけをお迎えします。
お客様が、共に時を過ごす人を選び、
その瞬間の空気や言葉、静けさの中にある心の動きを、
まるごとひとつの“食事”として味わっていただけるように。

時間に縛られず、まるで友人の家にいるように、
心のままに、ここでのひとときを感じてください。

お飲み物について

鶴田町は、スチューベンの生産量が日本一の町です。

りんごの産地として知られる青森県の中でも、ここは珍しく“ぶどうの町”として知られています。

 

近年、近くに小さなワイナリーが生まれたこともあり、 私たちは地元のワインを中心に、季節や料理に合わせてお出ししています。

また、シェフ自身がワインを深く愛していることから、各国のワインも厳選して取り扱っています。

ワインと並んで、私たちが大切にしているのが「お茶」です。

日本茶――特に、蒸し製の煎茶――は、意外にも歴史の浅い、日本独自のお茶です。

水出しでは料理と寄り添い、急須で丁寧に煎を重ねることで、 一杯ごとに異なる表情と時間の深まりを感じることができます。

けれど、お茶には“品質”や“技術”だけではない、もうひとつの側面があります。

 

田舎の家でお茶が出されるとき、それは「よく来たね」という歓迎のしるし。

津軽のじっちゃや、ばっちゃが口にする 「お茶っこでも飲んでいぎへ(お茶でも飲んでゆっくりしてね)」という一言―― その温かさを、私たちも大切にしています。

 

また、海外の紅茶、自家製のシロップ、季節の果実を使ったドリンク、 そして自家製コンブチャなども、料理や季節に合わせてご用意しています。
マネージャーの岡詩子は体質上お酒を飲めません。 だからこそ、アルコールがなくても心が満たされるような飲み物の世界を、 この場所で共に育てています

【料金】

   11,000円(税込)~(お料理のみ。ドリンク別途)

 ※ 2026年1月からお料理の料金がお一人様当たり15,400円(税込)とさせて頂きます。

   ドリンク:お茶、ワイン、地産のジュース等。詳細はお問合せ下さい。

 

【席数】

  1日1組 1~4名

【所要時間】

  約3~4時間(ご都合に合わせて短くすることも可能です。)

From here to you.

藤田潤也 岡詩子

                             

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